「53匹の猫」の報道について―その②猫たちの試練

「53匹の猫」の報道について―その②猫たちの試練

2018年1月9日

昨年の秋、「ネコ53匹 市営住宅に放置」(10月30日付の神戸新聞朝刊などで報道)などの見出し付きで大きく報じられ、ひとしきり話題となった「多頭(飼育)崩壊」の猫たちのその後です。

 

報道されたのは10月でしたが、そのときにはすでに猫の救出は終わっていて、それぞれの預かり先や、新しい飼い主のもとで一緒に暮らしていました。

 

元の飼い主は部屋を逃げ出し、餌やりにだけ来てふん尿の始末もしません。近所の人たちに抗議されたため、猫たちを保健所送り(センター送り。最悪は殺処分)にすることに同意して逃げた。

 

猫たちが残された現場はというと、新聞・テレビの報道で紹介された写真でご存知の通りの「ごみ屋敷」です。何頭かの猫のなきがらも放置されていたと聞いています。

救済に当たったボランティアさんたちが「こんなところに押し込められて、よくぞ生きていてくれた!」と思うほどの、劣悪な環境。そこにいた猫たちはまだ若く、メス猫のほとんどが妊娠していました。このまま放置されていたら、あっと言う間に100匹を超えていたことでしょう。

 

保護した直後のたまこちゃん

うちで預かることにした三毛猫のたまこは、当時、生後半年くらい。預かってから数日後、東灘区のますだ動物病院で避妊手術を受けました。小さなたまこも、やはり妊娠していました。

 

キャリーバックに入れて連れて帰った夜。ふん尿で汚れた身体を洗ってやりました。怖がるだろうからと、洗濯ネットに入れて、ネットごとに2回。様子を見ながらシャンプーで泡立てながらやさしく洗いました。

すっかり汚れが落ちてから、ドライヤーで乾かしました。その間、固まってじっとしています。声も上げません。じっと耐えています。

 

うちに来て最初の4日間は、ご飯も水も口にしませんでした。いつもケージの隅に固まってじっとしていました。無表情で鳴き声も出しません。

排泄もほとんどなく、とても心配しました。5日目から少しずつドライフードを食べるようになり、排尿と排便をするようになって後、少しずつ食事の量が増えました。

ふつうにご飯を食べるようになってきても、相変わらず表情は硬いです。

ケージ暮らし中のたまこ。いつもじっとしていました。

 

そんなたまこでしたが、あるときから、他の保護猫がケージの側に行くと、甘えたような声を出して呼びかけるようになりました。預かってから2週間は、ケージの中で過ごしましたが、それを機会にケージから出してやりました。

 

崩壊家庭を脱出して半年を過ぎ、新しい生活にも慣れてきた、たまこちゃん。多頭飼育の環境にいたので、猫たちとはすぐに打ち解けました。

たまこが気に入った若い猫で、優しい性格の男の子たち・アンディ君とりゅうちゃんが初めてのお友だち。その後、他の猫たちともうまくやっています。

初めてのお友だち・保護猫りゅうちゃん(昨年9月、病死)と一緒に棚の上に上がるたまこ

 

人間とはどうかというと、昨年秋以降。11月ごろから、やっと頭や身体をなでてあげられるようになりました。まだお腹を触ると怒ります。抱っこもできません。表情は硬いままです。

猫じゃらしで遊ぶことはできます。ほかの猫たちと一緒になって、ハッスルして遊びます。だいぶ近くまで寄っても逃げなくなりましたが、一瞬、身体を硬くして身構えるのは相変わらずです。

 

53匹のうちには、どうしても人間とはなじめない猫もいるように聞いています。また、何匹かはすでに亡くなっています。

 

外で暮らす野良猫たちの生活も過酷ですが、劣悪な環境の下で生きることを強いられた、多頭崩壊家庭の飼い猫たちの試練…。考えるだけで心が痛みます。

 

「53匹」のうちの1匹。三毛猫たまこのリハビリ生活は、これからも続きます。




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